青のなかをもぐる

オノマトペだけで通じあえたらいいのにね

不思議なダンス

そうしなかったわたしから、林檎みたいな匂いがしている

今も、ここまで進んできた今も、なんにも解決していないんだよなあ、そしてわたし以外の人間にとっては、わたしのことなんて脳の表にも裏にもいない。わたしだけが、わたしの過去と、今と、ほんの少しだけ未来のことまで考えている。


メロディがあったら、こんなにだらしなく言葉が続かないでいられるんだろうか?わたしの言葉はずっとべたべたしている気がする。(だから長旅の電車の中でも飽きずにわたしは言葉を眺めている)


斜め前にくねくねした男が座っている。5分おきに、毎回異なるダンスをしている、上半身だけで。目をつぶってみたり、指揮をしてみたり。薄着で荷物は少なくて、でも整った背広姿だから、この人を変だと思う私がおかしいのではないかと錯覚に陥るけど、でも、変な動きをしている。誰かに何かを伝えたいのかな。絶対違うな。自分のためだけに踊っている。それが心地よいとは思えないけれど、そうせずにはいられない、祈りのようなダンス。