青のなかをもぐる

オノマトペだけで通じあえたらいいのにね

夜の草花

10月になりましたね。もう、けっこう寒いです。



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夜の草花が好きだな、と気づいてから、思いつくたびに写真におさめている。きれいかどうかではない。昼間よりも存在感を潜めているのに、確かにそこにいる感じが好きだ。フラッシュを焚くと「きゃっやめて」って声が聞こえてくるような気がして撮ってしまう。(夜の植物にフラッシュを当てるのは良くないんだろうか…)(なんとなく花って擬人化すると女性になってしまう…)



自分はずるいなと思うことがたまにある。おろかだなと思うこともあるし、それが見抜かれているな、と思いつくこともある。

でも夜道を歩いているときは全部忘れる。忘れて、平等な人間の一人としてただ歩いている。たまに電灯に照らされても歩けばすぐにまた暗闇。夜が好きだ。

20歳をこえてから生きているのが苦しくなくなった気がする。勉強は嫌いではなかったから、学生の頃も「強いられた暮らし」のような辛さはなかった。ただなんとなく同じ年頃の人間と一緒にいる苦しさみたいなものを感じていたな、と思う。夜にふらふら歩けるようになったことでいろんなものから解放された。夜に特別なものが何があるわけでもないけど、夜道は落ち着く。目をつぶっていないのに、何も見えないまま、見なくて良いままで歩く気分。何のとりえはなくても、ここにいていいんだなって思う、そして歩くうちに、そんなことさえ考えなくなる。夜が好きだ。