わたしの祖父は、よくスタイルという言葉を使う。高校生のころ、初めて辞書でstyleに生活様式という意味があることを見つけた時を思い出す。あれは春だった。新品の英和辞典。昼間なのに教室の外は暗かった。蛍光灯がまぶしくて。札幌の春は、とても寒いから、4月にも桜は咲かないのだ。
新しい朝はいつも冷たい風が吹いている。
そうそう。わたし、ひとつ見つけちゃった。わたしの好きなひと、いや、どうして好きなのか、いまだに全くわかんないけど、わたし、その人に好かれたいと思ったことほとんどない。いつもそんなことを考える余裕ないくらい、好きなだけで心がいっぱいいっぱいだ。あぁ好きだなあと、へらへら笑うことしかできない。
だからこそ、わたしがその人のことを好きじゃなくなったらすごく落ち込むだろうし、何なら、わたしごときに好きじゃなくなられて可哀想だなって思いそう。心の中が、空っぽになるんだろうな。わたしの失恋はいつも、好きじゃなくなった瞬間なのだ。
でも今回ばかりは、長い間好きだし、好きだと言ってあるので、その時がきたら「好きじゃなくなりました、どうしましょう」と相談?してしまいそうだ。恋人でもないのに。宙ぶらりんのまま、急に落ちていくことがあるのかしら。おそろしいことだ。
ハッピーエンドが何かわからない間は、終わりませんように。
いつかの空、もういっかい。
またしばらく、Jim O'Rourkeのユリイカと、RATNのわらうだけばかり聞いてる気がする。もうすぐ卒業式です。でもぜんぜんお別れじゃないんだ。